「売買契約では実印を持ってくるようにと言われたんだけど・・・」
「どうして、不動産の売買契約書に押す印鑑は、実印でなきゃダメなの?」
など、なぜ不動産売買契約書を作成する際に、実印が必要になるのかわからない方は多くいらっしゃいます。
 たしかに、不動産売買契約書の作成において、売主及び買主の署名捺印が必要なときに、その捺印は実印で行うのが一般的です。では、いったいなぜ実印での捺印が売買契約書に必要なのでしょうか?
■売主の実印が必要な理由
 まず、売主の実印が必要な理由についてお話したいと思います。
・買主の方が、売主本人であることを確認できるから
・法務局が照合できるから
 まず、売主の実印が必要な理由として挙げられるのは、「売主本人であること」と「売る意思があること」を買主に確認していただくためです。
 また、決済・引き渡しのときに、司法書士が法務局で所有権移転登記を行うのですが、その際、実印と印鑑証明が必要になるので、売買契約書に実印が押してあれば、法務局が印鑑証明と照合しやすくなります。これも、売主の実印が必要な理由です。
■買主の実印が必要な理由
 次に、買主の実印が必要な理由についてお話したいと思います。
 買い手側は、お金を支払って不動産を取得するため、なりすましの必要性が乏しいことから、買主は実印が不要です。ただ、いくつか例外があります。
・買主がローン契約をする場合
・買主が代理人を立てて契約する場合
 買主がローン契約をする場合、リスクの担保者は購入代金を融資するローン会社になります。もし仮に、買い手が何者かになりすましたとき、その未払リスクを抱えているのはローン会社です。そのため、ローン会社は本人を確認するために、実印の提出を求めることになります。
 また、買主が海外在住であったり、売買契約に立ち会えなかったりする場合は、買主は代理人を立てて、不動産の契約を行います。このとき、買主の存在を担保するために、実印が必要なのです。
 いかがでしょうか。売主と買主では、実印が必要な理由は少し異なります。しかし、実印が必要な主な理由は、本人確認のためです。不動産売買で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

カテゴリー : コラム
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